日本でもお馴染みだったミネラルウォーター<フランス・ヴォルヴィック>/Volvic

日本でもお馴染みだったミネラルウォーター、ヴォルヴィック(Volvic)に行ったのは今から10年前のこと。
オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏に属する村で、エヴィアンとは、リヨンを挟んで真反対の西にある街、ミシュラン本社があるクレルモン・フェラン(Clermont-Ferrand)の近くのごくごく小さな村です。

ヴォルヴィック、日本流通の変遷

1958年 ヴォルヴィック社設立
1986年 日本での販売開始(サントリーフーズ)
1993年 販売権譲渡(三菱商事)
2003年 合弁会社「キリンMCダノンウォーターズ」設立(ダノン、三菱商事、キリンビバレッジ)
2013年 「キリンMCダノンウォーターズ」→「キリンビバレッジ」移管
2020年 12月31日、日本での販売終了

2015年の訪問

ヴォルヴィックまでは、リヨンからクレルモン=フェランまで列車で約2時間半。乗り換えて約30分。ほとんど誰も乗ってこない列車に揺られて目指します。
本数もほとんどない。(というより廃線になったのか、現在SNCFのサイトではヴォルヴィックまでのダイヤが出てきません)

途中の駅もほとんどが無人駅、どローカルな路線です。

予想以上にこじんまりとしたヴォルヴィック駅。車掌と私しか降りませんでした。

終着駅のヴォルヴィック。撮り鉄にはたまらない環境ですね。

乗ってきた列車が折り返してクレルモン・フェランに戻ります。それまでここで待機。

駅前には何もありません。カフェはおろか、売店すらありません。
でも、なんだかかわいらしい駅舎ですね。

ヴォルヴィック誕生から50年間の歴史をまとめた冊子がクレルモン・フェランで売っていました。

ヴォルヴィックが日本で受け入れられるのに、そう時間は掛かりませんでした。なぜなら、エヴィアンやヴィッテル、コントレックス等々、ヨーロッパで主流の硬水に対し、ヴォルヴィックは珍しく「軟水」のミネラルウォーターだったからでしょう。
もちろん、大手商社のマーケティング、プロモーションも上手で、2003年の時のプロモーションを今でもよく覚えてます。
そんなヴォルヴィックを、最近あまり見ないなーと思って調べてみたら、コロナ禍の2020年12月31日にひっそりと日本を撤退していました。
もっと調べてみたら、コロナは遠因にもなってない、キリンビバレッジが販売を終わらせたその理由は、2021年のヴォルヴィック水源の湧水量が激減したというニュースを見る限り、既にそれ以前から深刻だったのでしょう。
2023年には更に急減し、周辺地区を対象に水の使用を制限するなどの措置がなされ、持続可能な自然資源のセーフティネットが、現在ヴォルヴィックでは囁かれています。

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